そろそろ脱出

福祉の仕事はは昇進出来なければ地獄だよ。

知的障がい者は運転免許を取得できるか?実際に取得してみた。運転技術は?

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数あるブログからこちらのブログにご訪問いただき、誠にありがとうございます。知的障がい者の方の生活支援員をしております。峰岸でございます。

 

今日は知的障がい者の方の「運転免許取得」に関してお話しをしてみようと思います。

まずどんな事をお話ししようかと考えましたが、今日の内容は

 

1、知的障がい者は運転免許を取得できるのか?

2、運転免許を取得するのは簡単か?

3、知的障がい者の方の運転技術を観察。

4、車選び、適した車種は?

5、割引などの制度はあるの?

6、自動車保険はどうするの?

7、本人や支援員が必ず守るべきこと。

 

と、豪華7項目について、生活支援員である私が真剣にお話ししていきますので、どうぞ楽しんでゆっくり参考に読んでみてくださいね。

 

 

1、知的障がい者は運転免許を取得できるのか?

私は生活支援員として、現在山田さん(仮名)という方の担当をさせていただいており、彼は障がい者雇用の枠で特別養護老人ホームで毎日働いています。

 

山田様は、今まではバスで通勤していたのですが、今度から車の免許を取得したいということで、色々と私も免許取得に向けて、一緒に頑張ることとなりました。

 

ですので、結論として軽度の知的障がい者の方で、ちょっと資料がないので等級などの詳しいお話しはできませんが、物理的に精神的に技術的に運転が可能な方でしたら、車の運転免許取得は、まったくもって可能であり、これから活動の幅を広げてみたいと考えていらっしゃるのであれば、積極的に運転免許取得を考えてみてほしいと思います。

 

 

2、運転免許を取得するのは簡単か?

さて、まずは運転免許を取得するには、自動車教習所に通った上で試験を受けなければなりません。そこでは筆記試験という難関が待ち受けています。山田様は特別養護老人ホームで就労し、月に10万円くらいの所得を稼いでいる能力や知能をお持ちの方ですので、運転技能に関しては教えれば教えた分覚えるし、身に着けていきます。ただ、私も筆記試験は一度落ちたことがあるくらいですので、山田様にとっても筆記試験は少しハードルが高いものでした。

 

そうして、運転免許証の取得のため試験会場に足を運んだ回数は、私の記憶では6回ほどだったと思います。

 

でも逆に6回程度で合格するなんて、なかなかたいしたものだな、と当時は思ったものです。普段から彼と話しをしたりしていると、6回目で合格は妥当な回数だったかな、と考えております。

 

と、いうわけでして、当事者の方も生活支援員の方ももしこれから運転免許を取得したいと考えているのであれば、対策の方は色々と、じっくり考えてみてくださいね。

 

 

3、知的障がい者の方の運転技術を観察。

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実際に車を購入し、山田様の運転する車の助手席に乗ってみる日が来ました。

 

とても緊張したのを覚えています。普段から山田様は、「スピードが怖い」「職場以外は行かない」とおっしゃっていたので、安全運転をするだろうことは、予測がついていました。

 

わたしは緊張しながら、山田様が運転する車の助手席に座り、山田様の運転を観察しました。

 

ふぃーーーーーーーーん。

 

まずはゆっくりな出だし。速度も大体時速40km~50kmをキープ。車線変更、停車、諸々問題なし。

 

「山田さん!うまいね。いい乗りごこちだったよ!」

「そう?ぼく安全運転だからさ。」

 

この調子だと、油断はできませんが、心配はそんなにしなくてもよいかな?と感じました。

 

 

4、車選び、適した車種は?

車選び、購入は基本的に生活支援員の仕事です。確か来る選びをしていた時期は4月で、車屋さんに足を運ぶと、なんと、中古車がほとんど売っていないのです。あれれ?・・・と思って車屋さんに事情を尋ねると、4月は新生活をスタートさせる時期なので、大体良い商品は売れてしまい、在庫は少なくなるとのことでした。

 

なるほど・・・・そんなことは普段の生活の中で意識したことがなかったので、少し

勉強にもなりました。

 

それでも購入しないとなりませんので、なんとかかんとか探してもらったりしながら、まずは一度ぶつけることを想定して、50万円ほどの中古車を購入することにしました。

 

山田様と車屋さんに足を運び、山田様にも見ていただき、決定した車種がダイハツミラ」2店舗あるトヨタのディーラーと、ダイハツのディーラー、(他のメーカーは私の独断で却下)その中で50万円で購入できる車はそれだけでした。

 

「あれ、ここ壊れてる・・・」

 

山田様が言いました。なんと、バンパーが少し欠けている。他にもキャリパーやディスクも錆上がってる。下回りは全滅だな・・・。自分だったらネット通販で車種を探すのもありだが、なにかあったら気軽に駆け込める地元のショップで購入するのが、山田様にはいいのかも・・・そんな風に考えて、結局車種は諸々修理や整備をきちんとしてもらうのを条件に「ダイハツミラ」に決定したのでした。

 

 

5、割引などの制度はあるの?

自動車を所持していると、必ず支払わなければならないものがあります。それは税金です。これは知的障がい者の方は減税などの制度があるのでしょうか?

 

結論としては減税制度はあります。

 

ただ、それには色々療育手帳の等級などが絡んできて、山田様は減税対象ではありませんでした。

 

「ええ!じゃぁ車なんて要らないよ!」

 

というお言葉が聞こえてきそうですが、ここでもう少し細かい話しをすると、車検や定期点検などなど、他にも車を所持しているとかかるお金がいっぱいあり、そのどれもが知的障がい者だからといって、減額になるわけではありません。

 

それは、私も最初は色々知的障がい者だと、減額になる制度があるのだろうな。と勝手に考えていましたが、世の中はそんなに甘いものではありませんでした。

 

 

6、自動車保険はどうするの?

自動車任意保険も当然加入する必要があります。加入に関しても生活支援員が手続きや契約を行います。保険会社も10社くらいから見積もりをとり、

 

「三井ダイレクト」

 

が一番内容もよく、金額も安かったです。夜勤明けに残業をして契約したのだが、「そんぽ24おとなの自動車保険(だったかな)」で契約をしていた自分にとっても、保険会社を見直すよい機会になった。

 

自動車任意保険に関しましても、知的障がい者だからといって、特に割引などはございません。(え?知っていましたか?わたしは初めは色々なものが割引になるのでは?と勝手に思っていました・・・・)

 

 

7、本人や支援員が必ず守るべきこと。

「山田さん。何か車で困ったことがあったら、いつどんなときでもよいので、必ず私に真っ先に電話してくださいね。」

 

私は山田様に会うと、必ずそのように告げています。それから度々山田様からは車に関することで電話があります。

 

「車の窓の調子がなんかおかしいんだけど・・・」

「窓?・・・(はて、窓の調子が悪いとは一体???)」

 

確認すると山田様が主観でいつもより何か違和感がある、と感じただけで、見たところ異常はありませんでした。

 

「ちょっとグループホームの石段にこすってしまって・・・」

確認するとバンパーを少し擦った模様。

 

「バンパーだと錆る心配もないので、このくらいだと放置しておきましょう。ただ、賠償問題も発生するかもしれませんので、今度からは気をつけましょうね。」

 

そんな感じで山田様はいつも、何かあれば必ず私に電話連絡をし、私は必ずすぐに対応を行っています。

 

車の運転はひとつ間違うと、人の生命を奪う危険がありますので、知的障がい者の方はそれを十分に理解しながら、車の運転をする必要がありますし、生活支援員の方もそれを十分に理解していただく必要があります。それには利用者の方と生活支援員の信頼関係がとても重要になってきます。

 

車の運転に十分に注意しながら、知的障がい者の方が活動に幅を大いに広げていければ、とても理想的ですね。